とろん

ホテル ビーナスのとろんのレビュー・感想・評価

ホテル ビーナス(2004年製作の映画)
3.5
今年はLOVE PSYCEDELICOが4年ぶりにアルバムを出し、再来週そのツアーに行くので懐かしくなって、観る。この映画では作中にLOVE PSYCEDELICOの曲が随所に使われているのです。4、5曲くらいかな。同じアーティストの曲で映画をまとめると、そのアーティストのMVみたいになりがちだけれど、これは作中の「何処でもない町」の雰囲気にデリコが合っているからか、音楽だけ浮いたりもしていない。話の筋は格別凝ったところはなく…ワケアリの人ばかりのドミトリーに草彅剛が住んでいるのだけれど、その住人と草彅剛が過去を少しずつ乗り越えていくまでのお話、と云う感じです。雰囲気をけっこうがんばって作ってるけれど、ちゃんと筋がともなっているので、だらだらせずに見られた。
それに観返してみると意外と細かい伏線があったし、「手に入れたいと思うのが恋で、失いたくないと思うのが愛だ」とか「生きるのかしぬのか悩んでいるなら、生きると決めた方がずっと楽だ」とか、良い科白もたくさんあったことに気づいて、なんだか懐かしかった。そう云えば、はじめてひとりで映画館で観たのは確かこの映画だったし、同じ年にLOVE PSYCEDELICOの3枚めのアルバムが出て、めっちゃどきどきしながら観たのも思い出した。作中で流れる『Everybody needs somebody』はデリコでいちばん好きな曲。
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