田舎の青年がカースト差別の逆境に何度も苦しめられ環境の悪さから挫折しかけるも本人の才能と努力、家族や周りの力を得てカバディの選手としてインド代表になり国際試合に挑みその後までの姿を描いた物語。

とにかくストーリーが力強く、監督が込めたメッセージの重さと祈りを感じる。

カバディの話なのに血も(内臓も)飛び散るし泥にまみれるけど、そのどの画も綺麗なんだよな。
白黒の映像もコントラストがはっきりとしていて美しく、そのストーリーに華をそえる。
そして音楽。力強いストーリーに力強い音楽。音楽によって物語が深まり盛り上がる。
脚本、映像、音楽とどれも素晴らしかった。

そして何よりそれぞれのキャラクターを演じた俳優のすごさ。主演のドゥルヴはまさにキッタンにしか見えないしカバディの試合をこなす身軽さと強さを魅せた身体作りは演技以上に素晴らしさを物語っている。

キッタンの父親を演じたパスパティさんは今作のMVP。誰より息子を信じ、思い、息子のために尽力した男(その全てが正しいわけではないけどそこがまた人間味がある)。キャラがいいのは言うまでもないけど、パスパティさんがまたうまくて。

キッタンのカバディの才能を伸ばし導いてくれた監督、同じくキッタンのカバディの強さに惚れ背中を押してくれたギャングのボス(ラルさあああん！！！)、弟キッタンの難をなくすべく周囲への助言や根回しをする姉など、キッタンに関わっていく人物たちもみなよかった。


ちなみにパスパティさんは『カルキ 2898-AD』でレジスタンスの長やってた人だし、ギャングのボスラルさんは『スルターン』のマンスール叔父。
2人とも良い素晴らしい俳優さん。


インタミ後の後半はもうほぼ泣いてたし、ラストは大号泣。ほんとうによい映画だった。

音楽もずっとかっこよかった。


カバディ知らなくても、インタミ後くらいにはどうすれば何点取れてどうなると交代、みたいなのがなんとなく分かるようになってるから知らなくても大丈夫。

あと国際大会が日本なんだけど、ちゃんとした日本だった！！！！！
横断幕や看板の文字や文章におかしいところは一つもないし、日本語もちゃんとした日本語だった。やればできるんじゃん…！？
(OGのトンデモジャパン見たばっかりだからさぁ)


Maamannanでも同じテーマを扱っていたけど、マーリ･セルヴァラージ監督のメッセージはいつもストレートで強い。
『僕の名前はパリエルム･ペルマール』とKarnanまだ見てないから見たい。Vaazhaiも見たいけど配信がhotstarで見れないのつらい。