千秋姫

キツツキと雨の千秋姫のレビュー・感想・評価

キツツキと雨(2011年製作の映画)
3.8
めっちゃ自信ない監督役の小栗旬と
ザ昭和のオヤジ的な、木こり役の役所広司。

この2人の演技と絡みが、とても人間味あふれていて最高にシュールで面白い!

小栗旬は精神的にも弱くって、でもそれを
メンタル最強の役所広司によって変えられていく

人の心に土足で踏み込む、とはまたニュアンスが違うけれども

『落ち込んでいるヒマがあるならやってみろよ!ほら!動いてみろよ!なにやってんだよ!!』

と、相手のペースを乱しまくりなのに
そこには図太い「優しさ」という強さがあって
役所広司がそれを見事に演じきっている

「父と子の親子愛」を、常にチラチラさせながら、少しづつ距離を縮める2人と
撮り続けたゾンビ映画のクランクアップまでの過程で、バラバラだったものが1つに完成していく
ストーリーの中で色んなところに散らばっている
それぞれの細かいストーリーも
映画のクランクアップにあわせてピタリと1つにまとまる様子が
観ていて胸にグッときた。

主演2人ともに、共通しているところは
「不器用なのだが、伝わるもんは伝わる!」という点。

観終わったあとの、エンドロールでの余韻がとても心地良くて
エンドロールで、スーッと涙が零れました

面倒臭かったり、疲れたり、どうしよもないことも
人と人との出会いの繰り返しの中で、やっぱり人は
人に支えながらも面倒臭い「成長過程」という大切な時期を乗り越えて行ける。

田舎の風景、村人、温泉、ちゃぶ台、畳の部屋、将棋…
邦画だからこそ出来る表現、というものを存分に堪能できる映画でした。

素晴らしい!!!!!
千秋姫

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