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The Moving Finger(原題)
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『The Moving Finger(原題)』に投稿された感想・評価

マンハッタンの一角で銀行強盗事件が発生、犯人の一人が重傷を負いつつも、奪った現金を持ち出してグリニッジ・ビレッジにあるカフェの地下に逃げ込んだ。ここではビートニク達が退廃的な共同生活を行っており、彼らはモグリの医者にモルヒネを打たせ、強盗犯を保護する。ビートニクのリーダーが強盗犯が隠し持つ大金を探す中、カフェのオーナーや医者も強盗犯の金に目を付け…という話。

有り体に言えば低予算で志の低いクライム映画なのだが、本作が他の有象無象と比して一点だけ突出しているのは、ビートニクを描いたごく初期の作品であるという事だ。

ビートニクとは、ビート・ジェネレーションと呼ばれる、主に1950年代~1960年代半ばに現れた作家達による美意識、社会様式等を漠然と捉えた用語であり、その実践者達を指す。旧来の価値観の否定と探求、具体的には物質主義の否定、性の解放、ドラッグ、東洋思想の受容など、後にヒッピーと呼ばれる人々の先駆であり、カウンターカルチャーの源流である。ボヘミアニズムの首都と呼ばれたグリニッジ・ビレッジで展開される「The moving finger」は彼らのライフスタイルを活写した所に稀少性を見出せる、と言える。

しかし本作はビートニクを礼讃も批判もしていない。バロウズやケルアックといった著名人が出てくる訳でもない。
ライオネル・スタンダーがアレン・ギンズバーグの真似をしたものか、しゃがれ声でポエムを朗読するくだりにその片鱗が見えるのと、ムーンドッグという実在した全盲の作曲家が本人役で登場するが、これも警部が聞き込み捜査を行うワンシーンに、「強盗犯を見たか?」と尋ねるブラックジョークで消費されるのみ。
好奇的目線でクライム映画のいわば刺身のツマとして使われているに過ぎず、その描写にはやや無理解な部分も目立つ。ダイレクトシネマ「風」の作品ではあるが、本筋の小芝居に大部が割かれており、ドキュメンタルな要素は限定的で、やはり観るべき所は少ない。

破綻した脚本、粗い画質、下手くそな役者達、悪趣味で通俗的な劇伴、どれをとってもお世辞にも褒められない。
しかし当時のグリニッジ・ビレッジで実際に撮影され、ボヘミアン達のパーティーの様子も一部そのまま流用されている。ある種の稚拙さが、当節の空気を再現する意味で得難い魅力に寄与しているのもまた否むべからざる事実である。

ゴキブリレースが唯一の見どころだが、虫嫌いには絶対にお勧めできない。