やっぱりカルカン

ハチ公物語のやっぱりカルカンのレビュー・感想・評価

ハチ公物語(1987年製作の映画)
3.7
ハチ公の話はたぶん皆さんご存知のことかと思いますが、トータル107分の映画のうち約1時間くらいの段階で先生が(ネタバレ)ます。ここからあと約50分くらい続く訳ですが、画がもつのかな…ちょっと長くないか?などと不安に思った自分を殴りたいぐらい、あれよあれよと言う間にハチ公に不幸が襲いかかります。もうまさに怒涛の展開で、周りの人間がみんな悪に思えてきます。この部分は事実と異なる脚色が施されているそうですがあまりにもかわいそうで、悲しくて悲しくて、気がつけば映画が終わっていました。

◆ハチかわいい
文句なしにかわいいです。とにかくハチ公がかわいい。もふもふの毛!真っ黒に輝く瞳!おまけに賢い! 前半は主演の仲代達矢さんとハチの仲睦まじい様子が本当に楽しそうで、見ている私もつい笑顔になってしまうほど心の底から癒されました。

◆大正〜昭和
ハチが生まれたのは1923年(大正12年)11月10日で、この物語はちょうど大正から昭和にかわった頃の話となります。昔は野良犬も多かったようですし、犬は外で飼うもの。ドッグフードもまだ無く、人間と同じご飯や残飯をあげていました。また、犬を家の中にあげたり家の中で飼うなんてとんでもない時代でした。犬畜生とも言われていましたし、今ほど犬の扱いがよくなかった時代です。現代においては酷い表現もありますが「昔はこれが普通だった」と思って見て欲しいです。

◆動物愛護
1983年の南極物語、1986年の子猫物語と、この頃は動物ものの映画が流行っていた時期でした。(ハチ公物語は1987年)共通しているのは、現在では動物虐待とも言われかねないような際どい表現がちょこちょこ見受けられる点。本作は南極・子猫と比べたらかなりマシでしたが、動物大好きな方はつい眉を顰めてしまうようなシーンも少しありました。

◆出演
昭和の名優オールスター豪華共演!
意外なあの人も出演されていますので、ぜひ俳優さんにも注目して頂きたいです。
先生役の仲代達矢さんが本当にダンディで笑顔が素敵な紳士でした!見てるだけで目の保養になります。個人的には若い頃の山城新伍が懐かしくて胸がギュッとなりました。

上野秀次郎:仲代達矢
上野静子:八千草薫
森山積:柳葉敏郎 
上野千鶴子:石野真子
煙草屋の内儀さん:浦辺粂子
尾形才吉:尾美としのり
お吉:春川ますみ
留さん:山城新伍
芹沢道郎:山本圭
橋本八百蔵:殿山泰司
近藤梅蔵:加藤嘉
前川:井川比佐志
間瀬課長:高橋長英
町田巡査:石倉三郎 
焼鳥屋の客:岸部四郎
女中およし:片桐はいり
旅館の主人:三木のり平
旅館のおかみ:菅井きん
たみ子:加藤登紀子
安井小荷物係:泉谷しげる
菊さん:長門裕之
古川駅長:田村高廣
樋浦勉
原知佐子
黒田アーサー
野口ふみえ
田山真美子
及川以造
獅子てんや・瀬戸わんや
高崎隆二
中瀬博文