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マイ・ライフのtak6のネタバレレビュー・内容・結末

マイ・ライフ(1993年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

以前、何かの映画紹介記事を見て観てみたいと思っていた映画でした。
末期がんの宣告を受けた一人の男性が、その運命を受け入れ、生まれてくるまだ見ぬ我が子へ残すためにビデオレターを救っていく中で、人生を振り返り、自分自身が変わっていくことで、家族の大切さを知り絆を取り戻す映画です。
主人公ボブを演じるマイケル・キートンの演技力に引き込まれます。父を嫌い、故郷を嫌い、さげすむことで怒りのよりどころとしていた彼が、一人の中国人精神治療士の施術を受けていくことで、自身の怒りがどこから来ていて、それを許そうと変わっていく姿に引き込まれます。
彼は自分が嫌っていた父親に似ており、本当は大好きで、好きが故に幼い頃に父親にかまってもらえない寂しさが募り、可能性がないと思う故郷にとどまる弟へもいらだっていたのだと思います。しかし、本当は家族とやり直したいとずっと思い続けていたのだと感じました。
若く美しい妻ゲイル(ニコール・キッドマン)の献身的な介護やアドバイス、思いに本当に助けられています。キッドマン演じるゲイルがあまりに美しく、クールな顔立ちのため、「実は冷たいのでは、我儘なのでは」と疑って最初は見てましたが、本当に心からボブを愛している妻をその美貌によるハンデを跳ね返して見事に演じてました。最後、疑ってすいませんと謝りたいくらい。
病気が完治するという願いはかなわなかったけれど、出来ないと思っていたことに望みを捨てず前向きに生きていくことで、父との和解、家族の絆を取り戻し、息子の顔を見ることが出来た。そして幼い時に星に願いをかけてかなわなかった裏庭でのサーカス。それを両親が叶えてくれた。父親の「叶う願いもある」と言ったシーンは涙がこみ上げました。
短い期間ではあったけれど、ビデオレターを作ることで、ボブは生き直し「許す」ことが出来たことで、死の数秒前の人生の集大成が素晴らしいものとなったのだと思いました。
今の自分の生活を考えると、反省ばかり、また、家族など身近にいる大切な人たちへの感謝が足りないなぁと痛感させられました。
観終わった後に感動と何故かしらすがすがしさが残る映画でした。
4.0点にボブの演技に+2、ゲイルの演技に+2で4.4点
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