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ロッキーのpenのレビュー・感想・評価

ロッキー(1976年製作の映画)
4.8
「ロッキーってボクシング映画でしょ? ボクシング映画って興味無いしなぁ」という人は確実にいると思う。しかし意外なことに、6作あるシリーズの中で一番最初のこの作品の試合シーンは結構あっさりしている。
この映画で一番描かれているのは「大きな挑戦をするまでの男の姿」だ。主人公はボクシングの試合を通じて、ある一つの大きな「挑戦」をする。それは今までの自分を否定してこれからを生きていく為に絶対必要な挑戦で、そういったことに主人公は取り組んだことがなかった。
つまり試合シーンは試合そのものが重要ではなく、主人公自身が決意した初めての挑戦に取り組む彼の姿が重要なのである。
殴られても殴られても立ち上がる主人公。そこにテクニックとかは関係なく、やると決めたら最後までやり遂げようとする意志の強さがある。それは試合会場をいつしか包み込み、最高のクライマックスへと繋がっていく。
挑戦することの意味、それが描かれているからこそ、この『ロッキー』は傑作なんだと思う。
「なんでエイドリアンなんて何度も叫んでるのこの人?」と思った方も映画を観れば、その言葉が(というか存在が)ロッキーにとってどれほど大切なものなのか確実に分かるだろう。おすすめです。
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