miru

乙女ごころ三人姉妹のmiruのネタバレレビュー・内容・結末

乙女ごころ三人姉妹(1935年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

まず、面白かった。
三姉妹それぞれの性格が良く分かる。
姉妹はよく思いあっているが、お染はそのなかでも特に周りの人に自分以上に気を置いている。
本当に心から人を大事にしている、そのことがよく伝わってきた。最後の普通ならば、医者に行くような場面でも、姉さんを見送るために駅まで行く。その前に妹の恋人を庇って刺される。

物語のなかでも、各人物のチャーミングな所が見えるのも良かった。

また、昔の浅草風景が私には新しく見え、駅の上にロープウェーがあったり、浅草寺の風景だったり、今とは違うところが見えたのもとても面白かった。

カット割も二人が話しているところでもいろんな視点から撮影しているところが面白かった。

足だけのカットで二人の歩調を表す、川を撮っていてその端にボートにのった二人が流れていくのも美しかった。

小さな頃から働いて、働いているときも家に帰ってからも辛い言葉をかけられる。姉は出ていき、妹は家業を手伝わない、それでも家から出ていくこともしない、姉妹に恨み言は言わない、母と喧嘩をしても働きにいかないということはしない。
そうやって生きていかなければいけない環境と、その中で生きていっている、そういうお染の生き様と人間性をみることができたと思いました。
お染が客や母に自分の意見を言う芯の強さやその姉妹をみる瞳が私のなかに残っていくのだと思います。
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