
2023年6月に与党の賛成多数で改正入管法が可決された。この改正により、難民認定を求める3回目以降の申請者が強制送還の対象になるなど、日本にたどり着いた難民の状況はさらに深刻化している。こうした状況を変えるべく、多くの市民が行動を起こしている。大学生の宮島ヨハナは学内に難民支援団体を立ち上げ、国際基準に沿った入管法への改正を求めている。東京で牧師を務めるヨハナの父・牧人は、これまでに200人以上の仮放免者の保証人となってきた。 入管法が改正された2023年は、1923年の関東大震災の際に起きた、朝鮮人や中国人に対する虐殺事件から百年が経過した年でもあった。この虐殺は、虚偽の情報が広められたことが引き金となったものであり、その犠牲者は6,000人に上ると推定されている。日本政府は未だこの事件を公式に認めていないが、アーティストや映画製作者、そして市民団体が、この隠蔽されてきた歴史を広く一般に知らせるために活動している。若者たちのグループ「百年(ペンニョン)」は、市民が虐殺現場を訪れるワークショップを定期的に開催している。映画監督のオ・チュンゴンは、学生時代に朝鮮人虐殺に関するドキュメンタリーを制作し、当時何が起きたのかという事実を広めるため、40年に渡り上映活動を続けている。そして、カメラは研究者や仮放免当事者の声を記録していく。 本作は、百年の隔たりがある日本の歴史上の2つの出来事、すなわち「現在の難民・移民問題」と「1923年の大虐殺」に焦点を当てている。そして、解決にむけて奮闘する活動家たちの姿を通し、国家が容認してきた排外主義の長い歴史と、植民地主義の歴史を未だに反省せず、忘却に舵を切ろうとする国家的なアイデンティティを鋭く見つめている。
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