朧気sumire

明日、君がいないの朧気sumireのレビュー・感想・評価

明日、君がいない(2006年製作の映画)
5.0
「自殺を決行する前に1つ映画を見るとしたら」というもしもの話を一緒にしていた友人がこの映画を挙げてきたので視聴。
これはしてやられた。
確かに自殺する前にこれを見たら今ここで死ぬわけにはいかないと考え直す。

ちなみに本当に強い人って自分一人で問題を解決しようとする人ではなく、自分が困ったときに周りに相談して助けを求められる人だと私は思ってるんです。
だって悩みを打ち明けるのは自分の弱みを晒すことと同義だし、弱みを晒せば攻撃される可能性がある。
そうやってなおさら深い傷を負うかもしれなくても他人を信じて助けを求める人は本当に勇気があると思う。

こういう自分が困ってる時にいち早く周りに相談して適切なサポートを受け取る力を「受援力」と言うけれど、この映画で自殺した子にはその力が弱かったんだと思うと辛くて胸がはちきれそうだった。
そうは言っても人に助けを求めるのは本当に難しいし、自殺した子の気持ちも分かるからやるせない。
だけど自分から助けてと言わなければ存在すら認知してもらえない残酷な現実が自殺した子にトドメを刺しているのが本当に辛い。
自分は同じ画面の中にいないのに「生きてるうちに気づけたなら。助けたかった」と罪悪感を覚えてしまった。
凄い映画だ。

あと映画エレファントのようなカメラワークと演出もとても良かったです。
こういうカメラワーク大好きなんだよ私!
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