明日、君がいないの作品情報・感想・評価

「明日、君がいない」に投稿された感想・評価

Yui

Yuiの感想・評価

4.1
午後「2:37」いつもの学校、いつもの放課後、誰かが自殺をするというシーンから始まる本作。

誰が自殺したのか分からないまま、6人の主要な登場人物の視点からのエピソードに、インタビュー映像を挟みながらストーリーは進んで行くのだけど、良くも悪くもリアリティがありすぎて、心穏やかではいられない。

若き少年少女がそれぞれに抱える悩みは、とても繊細で深刻で人には言えないような事ばかり。それでも日々は続いて行き、内にこもってしまうし、小さなSOSも誰にも届かない。皆、自分の事で精一杯。生々しくて痛い。

自分の感情を表現出来なかったり、元気に見える人ほど、ギリギリまで追い詰められているって事が多いと思うんだけど…。
なぜ命を絶ってしまったのか、理由が分からないと残された人は辛いけど、誰にも言えなかった本人が一番辛かったよねと思う。本当にやり切れない気持ちになる作品でした。

人と人の間にある断絶感を感じたし、登場人物達の感情がリアルに、ダイレクトに伝わってくる作品なので、元気な時に観た方がいいかな。

監督が、友人を自殺で亡くした事から作られた作品で、映画の知識も何もないまま19歳の時にこの脚本を完成させたというんだから、その驚きと共に、どんな気持ちで書いたのかを想像しただけでまた胸が苦しくなりました。

これは観たことを忘れない作品だと思います。

2021-389
こうき

こうきの感想・評価

4.2

このレビューはネタバレを含みます

若者の自殺率が高い日本人はこの映画に刺さる人多いと思う。
障害、ゲイ、妊娠、体型などいろんな悩みを抱えているティーン達。
ゲイの人が障害者のことをバカにしているのがリアルだった。
いじめられてる人も標的が変わればいじめっ子になるんだな。。
エレファントの影響うけて作られたんだな〜って分かる。
インタビュー形式なのも良かった。
knkne

knkneの感想・評価

4.0
人には他人に言ったところで解決できない悩みもある。そもそも言えない場合が殆どではあるのだが。
けれど深い理由も聞かずに声をかけるという些細な行動で救われる人もいる。他人にとってはどうでもいい言葉のキャッチボールが生きる動機になることもある。
とりわけ現代人は多様性を認めることを半ば強いていながら、都合の悪いものにはみんなで目を瞑り、異端であると石を投げる。自分のことで精一杯だから他人の苦しみを受容できないでいる。そんな他人の痛みの本質が分からない、色んな視点が存在するのに主観だけを押し付けて、ただ生きているだけの人間が多すぎる。

ここ最近までほぼ一日中ベッドで過ごしていた。動けなかった、が正しかった。食事も面倒、風呂も面倒、考えることも面倒。眠っている間となんとかして映画を観ている時間だけは不安に苛まれなくて済むからいくらか楽だった。いつもより重たい身体は気力と共にベッドに吸い込まれていくようだ。効かない向精神薬と過眠、つまり惰眠を貪り生きてしまっている毎日。外に出ても下を向いて歩みを進めた分だけ自分の惨めさを踏みしめている気分になり、普通に生きている人を羨望の目で見てしまう。自分は近所の野良猫に愛情を向けていたのではなく、弱いのは自分なのに、強く生きている猫を知らず知らずのうちに自分より弱い存在だと認識して自分の弱さを押し込めていたことに気付いた。そんなこともあってか、もはや死ぬという行為すら億劫に思えるほど塞ぎ込んでいた。抱き締めてくれる存在がいなければ僕はとっくにこの世から消えていただろう。
今は調子が良いからこんなことを書けるけど、医者に打ち明ければ恐らく日常生活から離される。
普通に生きられない、仮に克服してもその先に不幸が待ち受けている今の僕にとってこの世界は絶望に等しい。誰かを不幸にしてしまう者は生きていていいわけがない、というのは今の多少楽な精神状態でも考えてしまう。
なんにせよ今の精神状態で見ちゃダメな映画だった。
原題は 2:37
6 人の生徒の物語
朝から 午後 2時37分までの間、 カメラはそれぞれ 悩みを抱えた6人の主人公を緻密になぞっていく───彼らの心の中を知る頃には
この中の 誰かが死ぬ。

●映画の観せ方
何気ない 一日の一コマ・・キャラクターをぐるりと回転して撮したり、その生徒の前をすれ違った瞬間、スイッチして そっちを追いかけ 物語が変わる手法☘️
同じ 時間軸で 色んな角度から 多角的に観せていく。少し 時を逆行させながら───
「パンテージ ポイント」「羅生門」のフォーマット☕
●ファースト シーン
木立が 空を仰ぐ カメラが ふわりとゆれる
ハイスクールを 歩く生徒のスローモーション
壊れたウォータークーラー

●邦題について
「明日、君がいない」
この言葉を例えると 「鬼滅の刃」六太の台詞
「お兄ちゃん 置いて いかないで!」
なのだ
何が 言いたいのかって、言うと
頭で考えた台詞じゃない 何かを犠牲にしないと
表現出来ない言葉だと思うから。
──────────────────:─
ジムノペデイ 第 1 番 が 静かに流れる♪


メル 一瞬 すれ違う
誰かが「おはよう」

「スティーブン 平気? 血が出てる
ティッシュ あげる」
───────後ろ姿を心配そうに 見つめて
「ねえ」
「大丈夫なの?」


「ねえ」
「大丈夫なの?」
今まで観てきた映画の中で間違いなく大きな影響を受けた作品。この映画は色んな人に知ってほしいし、観てほしい。
そして出来れば一人で観てほしい。そのくらい大切で忘れられない作品。
この映画を観て、僕は「人」を知り、より多くの「人」と深く向き合い出会っていきたいなと思った。
Mk

Mkの感想・評価

-

このレビューはネタバレを含みます

学校の中で友達もいるし、好きな子もいるけどなんだか孤独を感じて、誰でもなくなんとなく蚊帳の外な感じがするそのどうしようも無い気持ちを学生時代感じたことあるからケリーの気持ちがわかる。
校内にいる色んなティーンの持つ悩みを出していくなかでケリーの話が出てないのがリアル。自分のことにしか頭のことにないから人に興味がないし、人に気を遣えてないからケリーのやつ悩みが見えない。それがすごくリアルだった。

このレビューはネタバレを含みます

最終的に誰が自殺するのかを焦点に、物語が展開していく。かと思いきや、大勢の登場人物の悩みに満ちたエピソードが溢れて、焦点がとっ散らかる。

ここで集中力を保つのが非常に難しい。一人一人のエピソードは鬱々としていて、それだけでも興味を削ぐものだからだ。

ラストの結末で誰が死ぬか明らかになるが、意外な人物。ここに作品の肝があった。

作品としてのメッセージはわかったものの、冒頭で述べたように視点があちらこちら飛んでまとまりがないため、映画としてあまり面白いと感じなかった。
konaka

konakaの感想・評価

-
いいんだけど、ちょっとあまりにも『エレファント』だったし、「これをメッセージとして伝えよう」という思いが強すぎてとても疲れた。絶対的に正しいことって疲れる。それぞれの状況や心情は説明されなくても充分わかったし、それより流れがいちいち途切れるのがすごくもったいない感じがしたんだけど、ラストの展開で納得。そのための手段だったのかと思うとなんか虚しい。感情移入ができなかったわけでは全然なく、寧ろあまりにも当たり前に感じてしまったから、それを饒舌に訴えなきゃいけないってこと自体に違和感があるのかもしれない。
ジョン

ジョンの感想・評価

4.3
「2006年のカンヌ映画祭は19歳の作った一本の映画に打ちのめされた」という文言から始まる予告編に惹かれて観賞。

午後2時37分。とある人物の自殺から映画が始まる。時は遡り、朝。悩みを抱えた学生たちの日常が始まる。数時間後自殺するのは一体誰なのか...。

これはもっと色んな人に観てほしいなぁ。死ぬ人が登場する前提で話が進むから、サスペンス的に面白い部分はあるんやけど、『エレファント』のように生々しく学生たちの日常が映されるから観ていてしんどい。スクールカーストのみならず、LGBTQや障害にも焦点が当てられていて、15年前の作品やけど全く古くない。

こう見ると、学生時代ってサバイバルやったんやなと思わずにはいられない。子どもは弱いから悩みがあるし、それに負けそうになる。いつ負けてもおかしくない、そんな状況を描いたのがこの映画やと思う。それらに打ち勝つことができた自分たちを褒めたいし、勝てなかった人たちのことを忘れず生きていかなければならないと強く感じた。
2021-297

この作品の監督が19歳というのに最初は驚いたが、思春期の若者が見せる不安定な部分が重要な意味を持つ本作としては同世代の感性で形にしたからこそ説得力のある作品になったのだと思う。
メインの登場人物が6人と一歩間違えたらゴチャゴチャし過ぎて見にくくなるのだがキャラ付けが上手くスッと物語に入っていけたのも良かった。

自殺がテーマなので後味が悪いのは分かっていたが最後の展開が意識外から殴りつけられたような衝撃だった為、暫く後を引きそう。誰が自殺してもおかしくない状況の中ある意味一番納得出来る幕引きだった。

何のきっかけで見たいものリストに入れたか忘れたが14年前の隠れた名作を見る事が出来て良かった!
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