必見。
アメリカの医療制度がここまでひどいとは思わなかった。国民皆保険がないのは知っていたが、お金が払えない患者を捨てたり、難癖をつけて支払いを拒否する保険会社の横暴など、衝撃の事実がたくさんあった。
一方、カナダ、イギリス、フランス、そしてキューバでは、医療費は全て国持ち。アメリカの酷さよりも、この事実にびっくりした。病院では支払わないだけで税金で間接的に払っている訳だが、国民はオールフリーって凄すぎる。
でも、それだと不要な受診が増えるのでは？と思ったがそんなことはない。むしろ日本の国民1人あたりの年間平均受診回数は、国際的に見て4倍と顕著に多く、イギリスやフランスが多いわけではない。（2000年のデータ、OECD「Health Data2003」）
映画の終盤、米国人数人がキューバの病院に行き、治療を受けていたが、治療費はどうなったんだろう？そして幾らだったのだろう？さすがに無料ではないと思うが、ちゃんと描いて欲しかった。もし無料、もしくは米国よりも大幅に安価な場合、米国人が病院に押し寄せるのでは？と思うのだが、その点はどうなんだろう？
基本的に、アメリカの医療制度、ヤバすぎ！という論調のため、他国の制度を礼賛しすぎな気がする。どの国もなんらかの課題はあるはずだが、その辺りは描かれていない。
いずれにせよ 、医療制度に関心を持つ、という意味では非常に良くできた映画。自分の口で語れるように、各国の医療制度について勉強しようと思った。
また、国家のあり方についてももっと学びたいと思った。（アメリカは国民が決起しないよう弱体化させ押さえつける。一方フランスは国民の方が強く、何かあればすぐにデモを起こして国に物申す、など）
観て終わりにしたらダメな映画。
