
2021年、緊急事態宣言下の東京。社会に翻弄される男たちと、その男たちに翻弄される青年・レオ(酒井大成)。社会では大きな変化が起きている一方、レオの日常を支配しているのは、恋愛や嫉妬、自己愛、友人との他愛ない会話だった。 徐々に社会運動へとのめり込んでいく友人、手段を選ばない活動家、変化を望まない大学教授。政治のことはよくわからない。それでも無関心だと思われたくない――。その狭間で、レオは自分の立ち位置を決められずにいる。内なる不安や葛藤を抱えるレオだが、変わらず愛してくれる元恋人(八田麻美)、遮らずに話を聞いてくれる女友達(愛田天麻)、そして一目惚れした売れない女優・アンナ(兼行凛)の前では饒舌になる。中身の伴わない言葉で自分を飾りながら、レオはかろうじて自分を保っている。 やがて5年の歳月が流れる。レオの記憶をたどる先に見えてくるのは、過ぎ去った2021年ではない。形を変えながらも、今なお続いている私たちの社会だった。