けんけん3号

ハスラーのけんけん3号のレビュー・感想・評価

ハスラー(1961年製作の映画)
3.9
名作と言われる映画をいまさらながら鑑賞。なかなか深い物語だった。賭けビリヤードの世界が舞台ではあるが、様々な世界にあてはまる普遍的なテーマである。エディは凄腕のハスラーだが、名人のファッツに負けてしまう。技では勝っているが、気骨、人格(人間性)ではファッツに敵わないと告げられる。それからサラと恋に落ち、武者修行に出る。その旅でエディは様々な物を失い、気骨、人格を身に着けていく。二人の恋愛は不器用。指を折られ、裏切られ、二人の恋愛も悲しい結末を迎える。これらのくだりが簡単ではなく、人間の機微で描かれていて深さを増している。エディは孤独で賭けビリヤードで生きてきた。これまでもなかなかの人生を乗り切ってたのだろう。その苦労を自信に勝負をするが、ファッツが立ちはだかる。まるで、矢吹丈の前に力石徹が立ちはだかったように。これは個人的にそう重ねてしまった…。
ラストはエディがファッツを倒すのだが、経験をまとった男の生き様での勝利なのでグッとくる。なかなかの名作だと思う。ハスラー2も観たくなった。