
『社会学者の調査』 社会学の論文執筆のためフィールドワーク対象を探していた大学院生・荒木は、移住促進事業の調査員を募集していた平凡な田舎町・上山町へと移住する。しかし勤勉すぎて世間知らずな荒木は、商店街の看板やスーパーの値札など、絶対に調査対象にならないようなものも過剰な熱量で調査してしまう。そのズレた真面目さを面白がるようになった町民たちは、調査に勤しむ荒木を盗み撮りした写真をSNSに投稿し競い合って楽しみ始める。いつしか上山町は誰も予想しなかった町へと変貌していく…。 『消えた日曜日』 無趣味で平凡な会社員アキラは、密かに好意を寄せている同僚の五十嵐が映画好きなことを知り、少しだけ映画に興味を持つようになる。そんな折にアキラは無名の映画監督・佐藤と知り合い、市民ホールの会議室で開催された佐藤の上映会に足を運ぶ。集客もまばらで難解というよりもただひたすらに拙く退屈な佐藤の作品を、理解できるフリをして佐藤に感想を述べるアキラ。すると会場にいた他の客たちに驚かれ、映画通として尊敬される。調子に乗ったアキラはその勢いで佐藤の映画を上映する団体「S研」を立ち上げ、上映イベントに五十嵐を誘いアプローチするのだが...。 『神様は、どこ?』 地方の市役所に勤める水上は、市長から思い入れのある市立図書館の閉鎖を告げられる。来場者数を増やし図書館を救うため、水上はあらゆる書物が存在する図書館を「返事をくれる神様がいる神社でありパワースポット」と見立てるリブランディングを思いつく。妻・ユキの協力で「アマくん」「テラスちゃん」という神様キャラグッズを作成、「おお!スサノオ!」などの神様言葉、図書館の本に神様への願い事カードを挟むキャンぺーンなど、水上の施策は見事に当たり、若者を中心に大流行する。しかし、予想外の全国的大流行は、やがて炎上騒動と夫婦のすれ違いへと発展してしまう。