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風と共に去りぬのコンセントのレビュー・感想・評価

風と共に去りぬ(1939年製作の映画)
4.5
[名作の理由がわかった気がしなくもない]
 1939年公開の超名作と称される「風と共に去りぬ」をやっと鑑賞できました。公開された年はなんと戦前。当時のイメージを一切感じられない映像美、俳優の演技、音楽、照明など流石の一言。太平洋戦争前からこんな映画を世に送り出すほどの国力のあるアメリカと戦ってたとは、もしこの映画が戦前に日本で公開されていたら、歴史が変わったかもしれませんね。
 ただ、ストーリーの部分はあまり共感できませんでした。確かにキャラクターの個性とかブレずに描けているとは思うのですが、主人公のスカーレットの自分勝手さには思わず引いてしまった部分があります。たぶん男性観か女性観でこのあたりの感想は違ってくるという印象があります。
 僕が思うこの映画の魅力は、「余韻」だと思います。むかしの映画って、音楽だけ流れてるカットがあったりして、今の映画にはない余白があるんですよね。その余白があるからこそ、鑑賞者である自分も違和感なく映画の中に入り込める。特にスカーレットが死体の間を縫いながら駅を彷徨うシーンで、より戦争の悲惨さがわかるようにカメラがゆっくりと引いていく演出は特に印象に残りました。
 とにかく、ぼーっとして、映画の世界観に浸る、そんな名作だと思いました。
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