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風と共に去りぬのmikiのレビュー・感想・評価

風と共に去りぬ(1939年製作の映画)
4.5
原作は、中学の時から憧れの小説だった。映画も素晴らしかった。

最初の方はスカーレットは派手好きでわがままなお嬢様でしかないので全然好感が持てないのだけど、南北戦争が酷くなっていくうちに、スカーレットの逞しさにどんどん引き込まれて、目が離せなくなった。
特に前半最後のクライマックス、真っ赤な夕焼けを背景にタラの土を握りしめて、もう決してこんなひもじい思いはしない、と神に誓うシーンは圧巻。

周りに流されない強さがある一方で、恋愛面では不器用で、男を落とすテクニックには長けているが本当に好きな人には振り向いてもらえず、手に入らない男を想い続ける人間臭さは、だんだん可愛らしくみえてくる。

小説は、スカーレット・オハラは決して美人ではなかった、という記述から始まる(映画のヴィヴィアン・リーはとても美人なのだが笑)。
性格も決して社会一般からすると褒められたものでは無いと思うが、全てを失っても波瀾万丈な人生を逞しく生き抜くスカーレットの虜になってしまうのは、風と共に去りぬの真髄なのだと思う。

現代の日本に生きる自分からすると、故郷の土地を想うだけでここまで強く心を保てるだろうか…と思うのだが、当時の南部の人たちがどれだけ土地を大事にしていたかを感じさせられた。
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