昼行灯

風と共に去りぬの昼行灯のレビュー・感想・評価

風と共に去りぬ(1939年製作の映画)
4.0
長かったけど、もう終わり?ってなるほど面白かった…黒人表象と主要男キャラの雑魚っぷりには全く感じいらなかったが、、ヴィヴィアンリー顔面良すぎる、、

前半移動カメラでめくるめく貴族社会の生活を優雅に追う。前景のスカーレット、後景の外の風景の構図がスカーレットの疎外感を表している。終盤はカメラワークは抑え目になる。代わりに屋敷の階段を使った演技が印象的。

テクニカラーでオレンジ味が強く、炎が鮮やか。特に倉庫が焼け落ちるシーンはセットをふんだんに燃やしていて、五社英雄やんとなる。それにしても焼け野原や夕焼け、朝焼けの風景のなか、スカーレットのシルエットのロングショットが美しい。オレンジは彼女のエナジーの象徴でもあったと思う。印象的なオレンジと、彼女と大地のシルエットのショットは、彼女が本当に大事にしてるのはタラだということを暗示している。
家に元北軍の警官たちが押し寄せた時のランタンの灯りに照らされるスカーレットの緊迫した表情もオレンジの炎を受けている。このシーンでは、切り返しショットが長く使われてるけど、会話が多いなかで長めの切り返しショットはこの他にスカーレットが銃殺する際にしか使われてなく、効果的。

スカーレットのじゃじゃ馬な性格は、原作舞台の1860年代としても、映画製作年代の40年としてもすごく先進的。原作者が女性ということもあるのか?夫との会話劇は、後半カメラワークが単調になったがツンデレ同士のスラップスティックな感じもあり飽きなかった。

エピソードの反復が何度かある。スカーレットと夫の壁に物を投げつける行為、娘と父の乗馬で死ぬというエピソードなど、、前者は似た者同士、後者は血筋の連続性に繋がっていくんだろうか。

ヘイズコードが厳しい時代ともあって、キスシーンは短く、寝所に行くことで濡場を回避している。そのせいか、終盤翌朝のスカーレットの反応がなんなのかすぐ理解できなかったりもする。兵士たちの死体の悲惨さはあまりあるものだし、売れっ子娼婦も主要キャラとして出ているけどその辺は大丈夫だったのか、、?
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