ナイトメアリュウタ

HAZE ヘイズのナイトメアリュウタのレビュー・感想・評価

HAZE ヘイズ(2005年製作の映画)
3.3
『HAZE』

男は目覚めた。自分は何処に居るのか?幅30センチぐらいの狭い空間に腹部を刺された状態で閉じ込められて、這いずり回って出口を探す。出口を探しているうちに、自分と同じ状況の女に出会う。あたりには血まみれの遺体が散乱している。何故?真っ暗な闇の中で二人は脱出を試みるが...結局1人になり、1人で出口を見つけ脱出する。  

「リミット」や「CUBE」を思い出すソリッドシチュエーションスリラー。

把握できない空間・状況、閉所迷路地獄で、閉塞された行動・回路


・金属音のリフレイン

・配管が歯をスライドする
(鉄と歯のギリギリ金属音)

・ハンマーが頭に振ってくる
(頭をバンバン叩かれ生々しい身体感覚を喚起)

・臓器や手脚が浮かぶ血の海
(身体の肉肉しさを生々しく強調した肉プール)

この組み合わせは、
精神的肉体的苦痛ですね。
圧倒的な肉体的苦痛と、精神的不快感をひたすら与えてくる感じです。

作りたい塚本地獄を「鉄男」のように具現化した本作。偏執的な妄想を映像化しようと努める「触覚」作家の塚本晋也って本当に天才。奥が深い変態映画。

画面に映ってる事象の状況説明、息苦しさを顔だけで展開する塚本監督の熱演が凄まじいです!

閉鎖空間でほぼアップの映像で、閉塞感をだすためかカメラアングルも悪いので息苦しさが凄い!  

閉所恐怖症の人は完全に見れない、見るとヤバイと思う笑

もし、自分がわけもわからずあんなコンクリートに閉じ込められたパニックになって当たり前。どこに行っても出口が見当たらない不安と、狭すぎてパイプにそって大口開けて歯にこすらせて動かなければならない通路やバラバラの死体の海は絶望としか言えない。