COZY922

雨に唄えばのCOZY922のレビュー・感想・評価

雨に唄えば(1952年製作の映画)
3.8
ミュージカルの名作と言えば『雨に唄えば』。文字通り心が弾むような素敵な歌の数々と目が釘付けになるタップダンス、そして軽快なテンポが、絵に描いたようなサクセスストーリー&ハッピーエンドを彩る。

物語は、サイレント映画が終焉を迎えハリウッドにトーキーの波が押し寄せてきた時代が舞台。サイレント映画のドル箱スターでもトーキーには対応できない女優、才能と努力で引き続きスターの地位を保つ男優、時代の変化により訪れたチャンスをモノにする者。新しい時代の到来に居合わせたからこそ成り立つ物語。

何と言っても目を奪われるのは華麗なタップダンスとパワフルで伸びやかな歌!そしてそれらが違和感無くストーリーに溶け込んでいるのが素晴らしい。特に、タイトルにもなっている”Singin’in the Rain” が好き。あのシーンは雨なのに心は思い切り晴れやかで、観ているこちらも元気になる。

ミュージカル映画が苦手という人がよく挙げる理由に『いきなり歌い出して唐突感がある』というのがあるけど、本作では劇中劇での歌・ダンスが約半分を占め、それ以外も歌って踊りたい気分だと明確にわかるシーンで歌やダンスが挿入されるのですんなりと受け入れることができます。ミュージカルにアレルギーを感じる人でも比較的観やすいんじゃないかな。予想できる展開だけど、それが退屈にならず楽しめるのもミュージカルならでは。

楽しい映画だけど、一方で淘汰される人や物が在るという当たり前のことも思い知らされますね。ダーウィンの進化論じゃないけど、生き残れるのは変化に対応できる者なのね、やっぱり。
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