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男はつらいよ 柴又慕情のエニグマのレビュー・感想・評価

男はつらいよ 柴又慕情(1972年製作の映画)
3.9
シリーズ第9作。
前半はとらやの寅さんの部屋を貸しに出したら本人に見つかってしまいブチ切れられる話。仕方なく不動産屋で別の家を探す寅さんだったが、紹介された部屋は結局さっきの部屋で賃料だけ取られるという面白話。
後半は旅先にてマドンナ・詩子(吉永小百合)と出会う。すっかり仲良くなり詩子も度々とらやを訪れるようになってベタ惚れの寅さんだったが、詩子には想い人がいるのであった…

後のシリーズでよくある冒頭の夢オチ寸劇がスタート。おいちゃん役も森川信から松村達雄に交代し、作風も少し変わったように思える作品。新おいちゃんは以前より言葉の火力が高い印象だったが、何やかんや慣れる。そしてギャグの精度も以前より確実に上がっているため笑えるシーンが多かった。吉永小百合はこの頃から既に完成された上品さがある。あと久しぶりに寅さんの舎弟、登も出てきて嬉しかった。
寅さんがカッコつけて昔の失恋話をしている時、画面端で笑いを抑えきれなくて焼きナスを喉に詰まらせて悶えてる博のシーンでめちゃくちゃ笑った。
29分くらいの寅さんがとぼとぼ坂道を登っていくカットが絵画的な美しさがある。
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