すぽんじ

父と暮せばのすぽんじのレビュー・感想・評価

父と暮せば(2004年製作の映画)
3.4
【1945/8/6】忘れたい、忘れたくない【AM8:15】

序盤、宮沢りえのコテコテに可愛い喋りに面食らうも﹙もちろん悪い意味で﹚、原田芳雄の力技で何とかカバー。
広島の原爆の話をする時に流れるピアノの音が凄く怖くて効果的。ピアノってこんなに冷たい音色だったっけ…(´;゜;ё;゜;)

小学5年の誕生日、私は修学旅行で広島の原爆ドームに行き、実際に原爆を体験された方の話を聴いた。
「身体じゅうに針が刺さった感覚」
それを思い出すのと同時に更に知らなかった現実が溢れ出す。
原爆が空中で光った瞬間の温度1万2000度は太陽2個分だということ、忘れないでおこう。

一転、ロマンチックファンタジーへ様変わりする一面もあり。
独特の言葉回しが面白いなぁと思っていたら井上ひさし原作と知り納得。少し前に観た『駆け込み女と駆け出し男』でも生きているように動く言葉が印象的だったので。言葉の操り方がとても好き。

何度も何度も勉強して情報を詰め込んでも、実際に体験した人の気持ちは本当の意味では分からない。
焼け野原とともに「生き残ってしまった」と自分を責める残された側の気持ちもそこにあったんだ…と新たに知った。

2015.12.19GYAO!無料配信