父と暮せばの作品情報・感想・評価・動画配信

「父と暮せば」に投稿された感想・評価

んご

んごの感想・評価

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抑制された演出とカメラワーク。過度な脚色を避け、あくまで原作に忠実に、最小単位による重厚な会話劇にフォーカスしていた。しかし終盤は様相が変わり、膠着した画面を穿つかのように映画的ギミックが炸裂する。とくにあのティルトアップには当惑すら覚えた(し、本当に必要なショットなのか今でもわからない)が、戦争という大きな物語の裏側を、小さな市井の目を通して丹念に捉え続けた黒木和雄の、映画という表現に対する飽くなき野心と希望を感じとれたのも確かだ。
黒木和雄と云う映画監督は、明確な使命感を持って撮り続けていたのですね。次世代へ伝える義務を、映画製作のエネルギーとして。
本作品は、井上ひさしの傑作戯曲をスクリーンにのせました。「せっかく映画にしたのに、もっと舞台とは違った映画らしい演出にしたら!」と思われる方も居るでしょうし、自分も戯曲の映画化ではだいたいそう感じます。でも、これはこの程度の手直しが、ベターな気がいたします。
山田洋次監督の「母と暮らせば」にバトンを紡いだ、この余りにも切ない日本国の日本庶民の私たちの祖先の物語です。
前半、原爆と亡くなった父とのお涙頂戴映画かと思い観ていた。しかし、原田芳雄のひとり芝居から変わってくる。
被爆者の持つ悲しみ……というか宿命。それが重くのしかかってくる。
そして、ラストショット!あのショットで胸が締め付けられるような痛みを感じた。
HirodePaz

HirodePazの感想・評価

5.0
原爆が人間に何をしたのか?その極限状態をテーマに、井上ひさしが書いた傑作戯曲の映画化。とにかく泣けます。ただ、主役は、宮沢りえがよかったのかどうかだけが、よくわからない。花がありすぎる女優よりも、舞台版の斉藤友子などのほうが現実感があって、よかったのでは?
大木茂

大木茂の感想・評価

3.0
終戦シリーズ第10弾

原田芳雄ってやっぱり喋り方かわいいな〜

あの原爆から3年後になんとか生き延びた娘とイマジナリーなのかゴーストなのかよくわからん父

ちょっと舞台っぽすぎたり登場人物3人は少な過ぎるんだよね
mugcup

mugcupの感想・評価

4.0

このレビューはネタバレを含みます


「あん時の広島は死ぬるんが自然で、生き残るのが不自然なことやったんや」

生き残るというのは苦しい事だね
地獄だね

その命は生かされている
語り部になるために
語り継がれていくために。

どうかどうか
親より長く生きておくれ
それは祈り、そして愛。
R

Rの感想・評価

5.0
この映画を初めて観たのは、映画公開時の2004年8月27日、岩波ホールにて鑑賞。

約11年ぶりに鑑賞したが、やはり大いなる感動😭

この作品は、日本人に対して、ひいては世界中の人に対して、決して風化させてはならない過去を突きつける。
こうした提示は重くなりがちだが、本作は父娘の二人芝居を中心とした軽妙な物語進行とともに、主張すべきメッセージはきっちり述べる。
黒木監督の冴えた手腕と強固な意志を感じる作品となっている。

黒木監督は自身を「戦争が終わるころ十五歳だった『遅れてきた小国民』の世代」と述べており、“戦争レクイエム三部作”を作ってきた。
「TOMORROW/明日」は長崎原爆投下直前の庶民生活を丹念に描いた上での原爆投下の衝撃を描き、「美しい夏キリシマ」では原爆投下場所から少し離れた南九州・霧島地方で生活する人々に襲いかかる戦争の恐ろしさを描いた。
前二作がロケ中心の美しい自然の中で描かれたのとは対照的に、本作は家の中という閉じた空間で、数少ない登場人物を軸とした密度の濃い作品構成となっている。

冒頭で娘が恋したタイミングで、父親が「恋の応援団長」をする。
娘は「死んでしまった人の事を考えると、幸せになってはいけない」との気持ちが強く、恋する気持ちと葛藤する。
この葛藤が、原爆投下3年後の広島で奇跡的に生き残った娘と父のやりとりとなるが、その会話が至妙の域に達している。
この手法(語り口)は見事。

父親が娘の幸せを願う気持ちはいつの時代も不変であると思うが、父親の叫び、未来に向けて幸せを決意する娘、なんと素晴らしい父娘の風景であろうか。

『黒木監督の映像センス』と『監督自身が経験した戦争反対への執念』を感じる作品である。

 

[印象的だったキーワード]…『エプロン劇場』、『おとったん、ありがとありました。』
どぅい

どぅいの感想・評価

3.6
シーンはそれほど変わらず、舞台セットみたいなところで、演技が繰り広げられるので、観るより言葉を聴くのがメインな感じがした。
いつまでも主人公の中に残る原爆の辛さと、それでも未来を見て欲しい父の気持ちがずっとぶつかり合っていてとても苦しくなる…
時々映るドロドロに溶けた石灯籠も何とも言えない不気味さがあって、より主人公の辛さが際立っていく気がした。
井上ひさし原作。
死んだ父と話す原爆演劇。
映画としてはあれだが、一度観る意義はあった。
PTSDなリアルVR生活

後遺症さえも未知だから、原爆を実際に目にし体験した人にしか本当の苦しさも不安もわからない…
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