dionemish

ナイスの森 The First Contactのdionemishのレビュー・感想・評価

ナイスの森 The First Contact(2004年製作の映画)
3.9
「なぜ夢は話すとつまらないのか不思議に思ってきた…多くの答えと同様に、ずっと前から知っていたことだ。文脈が無いからだ…」ウィリアム・バロウズは小説「夢の書」の中でこのような台詞を主人公に語らせている。
「ナイスの森」は夢で見たシュールな出来事をそのまま映像化したようなコメディ。カリッとしてたりフワッとしてたりグサッとしてたりヌルッとしてたりヌルッとしてたり…そんな21話のエピソードがオムニバス形式に眈々と続く。ちなみに常人が納得するエピソードは一つも無い。そんな映像が150分も続く訳だ。初めから最後まで集中して観てしまうと少し危険な気もする。
シュールな笑いを徹底して詰め込んだこの作品を観ていると初めに引用したバロウズの一節を思い出す。しかし彼の言葉を裏切るかの如く、この映画は面白い。面白いと言っても結局くだらないのだが、最近の雰囲気だけで終わらせる映画なんかよりも余程潔い。あ、見れば分かる通りキャスティングも徹底してる。(庵野秀明!)
dionemish

dionemish