メタルおばさん

オリビアちゃんの大冒険のメタルおばさんのレビュー・感想・評価

オリビアちゃんの大冒険(1986年製作の映画)
2.5
ディズニー低迷期の一本。と、長らくそんな印象を持っていたものの、何年かぶりに見てみると案外悪くないと思った。
が、「オリビアちゃんの大冒険」という邦題は映画の本筋とは異なり、オリビアちゃん(むしろ映画内ではオリビア“ちゃん”とは呼ばれていない)はただ誘拐されるだけ。主人公は探偵のネズミ2匹というのは明白で、これと同じパターンが「シュガー・ラッシュ」の原題「Wreck-It Ralph」。

後々のジョン・トラボルタのように肥満体型で青髭はえたような気味悪いネズミが悪役なのだけれど、その悪役の声がやたらいいなぁと思っていたらヴィンセント・プライスだということには驚いた。このネズミ、ご丁寧に処刑用に1曲書き上げただけでなくキッチリと1枚のレコードにまで仕上げており、プロ根性を感じた。しかし、日本には更に上を行く男がいた。そう、それはジャイアンだ。彼は自ら作詞・作曲、演奏を手掛けるところまでは同じだが、自らコンサートを企画からチケットの販売まで全てセルフプロデュースを行っている。

話が逸れたので本題に戻ろう。ショーパブのシーンでは矢鱈にエロい恰好したネズミが出てくるが、ここに触れると更に本題から逸脱しそうなので、今回は割愛とする。

ビッグベンのシーンにおいてディズニー映画では初めてCGが使われたが、後々の「ヘラクレス」に登場するCG感丸出しのキングギドラより遥かにクオリティが高く、スピード感溢れる迫力のある映像になっている。「美女と野獣」で味をしめてしまったのか、しばらく悪い目立ち方のする使われ方をしまったのは残念だ。

たしかにキャラクターもストーリーも地味であるが、本筋以外の部分で堅実な映画だという印象を受けた。まあわざわざ時間を割いて見るほどではない、残念ながら。