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バティニョールおじさんのnatsumiのレビュー・感想・評価

バティニョールおじさん(2002年製作の映画)
3.6
とっても深いお話でした。私はユダヤやナチスという言葉を聞くと、ついドイツという特定の国だけと結びつけてしまいがちです。でもあの悲惨な出来事は、国に関わらず当時を生きた人々みんなの過ちだったんだということを改めて思い知らされました。

自分の幸せを優先して、相手の気持ちには見向きもしない。そんな時代に、バティニョールおじさんは、善と悪の葛藤に苦しみながらも、シモンたちを助けることを選ぶ。シモンはシモンで、元々自分をこんな境遇にしたのはおじさんなんだと心の何処かで彼を憎みながらも、最後までついていく。2人の複雑な関係に最後の最後までハラハラさせられました。ラストで、おじさんが、自分はシモンの父親でユダヤ人だと訴えるシーンは、本当に胸が締め付けられる思いでした。もし自分がおじさんの立場だったら、果たして私は彼のようにできたのだろうか。色々と考えさせられました。

でもシリアスだけじゃない!特におじさんがドイツ兵の脱臼を一か八かで治すシーンなんて結構笑えた^^

最後はホッとするけど、やっぱりどこか切ない。でもこれが現実だ。そんな終わり方でした。あのモヤっと感はLife is beautifulに少し似てたかな。
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