めぐり

パーフェクトブルーのめぐりのレビュー・感想・評価

パーフェクトブルー(1998年製作の映画)
5.0
記念すべき100本目は今迄の人生の中で1番影響を受けたパーフェクト・ブルーにしました。

実は映画はこの1年でかなり見るようになって、気になるものは主体的に映画館へ行ったりしていましたが、それまでは金ローすらほぼほぼ見てなかったのです。
どちらかといえば、自分のペースで空想の世界へ旅立てる本がずっと好きでした。

中学生の頃、筒井康隆先生の本がとても好きでパプリカをテアトル新宿で見たのが今敏監督作品との出会いでした。

その世界観にグッと引き込まれて今敏監督作品は勢いのまま全て見ました。
そして今敏監督作品の中で私はこのパーフェクト・ブルーが1番好きです。

ヒロインの未麻の感情のピースがバラバラに砕け散って崩壊していく様が残酷なんですが、とても美しい。

望まない仕事、ファンからの失望、脱退したアイドルグループの成功に関係者の不審死。キリキリと追い詰められて可愛がっていた熱帯魚が全滅していた時、感情が爆発する未麻には本当にゾクゾクする。
だって周りに迷惑かけられないじゃない!と物に当たり散らかすかなり人間臭いところが本当に良い。興奮すら覚える。

オチもまさかのまさかで驚かせざるを得ない。騙そうという気概がないからか自然というか、自然のままだから、思いというものは本当に恐ろしい。

アニメーションという表現でここまで見事な狂気を落とし込むという事が本当にゾクゾクとさせた。多分だけれど、サイコスリラーが好きになったのはこの映画の所為。

願わくば、今敏監督作品をもっと沢山見たかった。
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