あるワンシーンを除いて全く音楽が流れないからこそ、映画を観てるのではなく彼らの様子を実際にすぐ側で見守っている感覚になる。
ミカエルとして地元の子どもたちと打ち解けていくのを微笑ましく感じると同時に、秘密がバレてしまうのではとヒヤヒヤしながら見守っていた。
6歳の妹は途中で姉がやっていることを察するんだけど、姉妹ならではの連帯感でうまいこと振る舞っていく所が良かった。「お母さんに言いつけるよ！」とか昔うちの姉妹もやっていたなぁ。
私も昔から女の子らしいことが苦手で男の子に憧れていた時期があった。弟のサッカーのユニフォームをこっそり着てみたり。だから見ず知らずの土地に行った時、男の子として過ごしてみたくなる気持ちがわかるな。
男子は生まれながらに身体的に"男"としての感覚を持ちやすいのだと思うけど、女子は胸が膨らむまで時間がかかるから、人によっては中性的な時期があるのかもしれない。
余韻を残すラストだったけど、私はポジティブな意味に受け取った。
この先ロールが成長と共に自身のセクシュアリティをどのように受け取るかわからないが、本人が生きやすいように生きれる世の中であればと思う。
