のもちゃん

ギルバート・グレイプののもちゃんのレビュー・感想・評価

ギルバート・グレイプ(1993年製作の映画)
4.2
「支援必要な対象として日本でやっと検討され始めた、いわゆるヤングケアラーの話し」?の認識で鑑賞開始。
知的障害を持つ3男が不憫でたまらず溺愛し、巨体の自分では彼の世話ができないからと、当たり前のように次男に世話をさせる母親に、ストーリー終盤まで腹が立った。愛すればこそ、自身の手と身体で世話が必要な子への出来る限りのことをしないのか? つまり痩せる努力した上で、障害のある子の兄弟姉妹を決して束縛しないと考えられないのか?!と。巨体になったのは「愛する夫の首吊り自殺」がきっかけと終盤で分かるが、だからといって!と納得出来なかった。
涙が溢れた状態でエンディングを見た。自分の最期が近いと感じていたと思われる母は、自ら2階の寝室へ行き、ギルバートとやっと心から母子の会話を交わせた後、ベッド上で安らかに亡くなった。ギルバートは、母と弟を煩わしく遠ざけたい存在として捉えていたのではなく、(心の迷いは生じても)愛する存在として、やるべきことを自らしたかったんだなあ…、私の見方も偏っていたと感じた。
母の遺体移動に軍の力を借りると言われて、母の尊厳を守るために家財を出した後に自宅と母を焼いた場面は圧巻でした。誰も思い付かない!真っ赤な火は辛い過去を消し、新たな刺激的で自由な生活を予言していた。
優しさが溢れたジョニー・デップ、知的障害者として幼児のように無邪気で時折真剣な眼差しをするディカプリオ、お二人の演技にも圧倒されました。
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