千年女優

レイジング・ブルの千年女優のレビュー・感想・評価

レイジング・ブル(1980年製作の映画)
4.0
1941年、無尽蔵のスタミナと打たれ強さで注目を集める新進気鋭のボクサーで、デビューからの連続無敗記録が判定負けで止まった事が不満でマネージャーの弟ジョーイや妻に当たり散らすジェイク・ラモッタ。市営プールで出逢った15歳の少女ビッキーと交際を始めてスターダムとその後の墜落を味わう彼の半生を描く伝記スポーツ映画です。

『タクシードライバー』でのパルム・ドール獲得でその立場を確立したマーティン・スコセッシが、同じポール・シュレイダーの脚本とロバート・デ・ニーロの主演でファイト・スタイルから「レイジング・ブル」と呼ばれたボクサーの半生を映画化した作品で、完成度の高さからボクシング映画の金字塔との評価と興行的成功を達成しました。

スコセッシらしい外からでは容易には理解できない破滅的な行動を取る人物の物語を彼の最高の相棒デ・ニーロで描いた彼の代表作のひとつで、暴力でしか自分の価値を示す術を知らない男の生き様を捉えます。愛を求めるが故に愛を疑う倒錯に現役から引退後まで27kg差の役作りをした「デ・ニーロ・アプローチ」が説得力を与える一作です。
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