堕ちてゆく女性の報われない人生が滑稽に描かれているが、嫌われていたのは最期だけで、一見すると、愛に生きた女性の幸せな人生だったのではないかとさえ思えてしまった。
というのも、話自体は実に救いようのない暗いものなのだが、映画自体は非常に明るくミュージカル風の場面も多々あり、全体を通して華やかで賑やかな印象を受けたからだ。
自分の不幸や後先を顧みずに、凝りずに何度も何度も愛を求めて与え続け、自分の人生を狂わせた原因の一人までも愛してしまった点など、低脳さを感る場面がしばしばあったが、それでも、どんなに困難に直面しても決して挫けることなく、健気で純粋に生き続ける松子を羨ましくも思えた。
