MOND

武士道残酷物語のMONDのレビュー・感想・評価

武士道残酷物語(1963年製作の映画)
4.1
黒澤明の侍映画に劣らない完成度を誇る傑作。

武侠を見せるというよりも、大名の暴政と非人間性の残酷な犠牲となる侍階級の赤裸々な姿を見せる。

事実、人類の歴史に類例のない侍の忠誠心は、それなしには権力維持が困難であった大名が人為的に助長、強要したものと考えられる。

また、侍たちもその独特で荘厳な忠誠心を包み込んで自分たちを差別化し、自分たちの価値を高める。
これはまるでお互いに「WIN WIN」のように見えるが、実際その強迫観念は侍たちにだけ不利に働いたと思われる。

その後、時代が変わり、サムライ精神が変質して日本社会に浸透し、今日のサムライ精神はどのように存在して見えるのか考えてみるのも面白そうだ。
MOND

MOND