Ya映画鑑賞

武士道残酷物語のYa映画鑑賞のネタバレレビュー・内容・結末

武士道残酷物語(1963年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

武士道残酷物語

まずは中村錦之助にブラボー

時代劇を現代劇でサンドイッチするという構造。新鮮で見応えあり。

開始1時間20分あたりが、救いようなさ過ぎてやばい。

「残酷」の主語は何か?
・例えば修蔵。
妻も娘も奪われて、さも「残酷」の被害者のように見えるけど、
実は修蔵自身も娘を道具のように扱って、加害者でもある。
→残酷な世を生きるためには、人もまた残酷にならざるを得ない、ということか?

・この映画において、男は時に女を虐げる側になるが、女が加害者になることはない。女はいつも徹底的に虐げられる側。

家老「何事も辛抱。己を抑えることが肝心じゃぞ」
修蔵「侍は主君あっての侍なれば、己は常に無きものと知れ」

封建社会に、主君に虐げられて酷い目に遭ってきた男が、どうして息子に「これからは自由に生きろ」と言ってあげられないのか。

・犯されるシーンとかノコギリのシーンはほぼ無い。叫び声なんかもほぼ無い。残酷という割に、残酷描写はほぼ無い映画。
それだけに、殿様の恍惚とした表情がやばい。(語彙力)



あー胸糞。『切腹』以来の胸糞。
色々受賞してるぽいが、これが外国の人には響くんかなあ。


2022.9
96
Ya映画鑑賞

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