kaikaita

武士道残酷物語のkaikaitaのレビュー・感想・評価

武士道残酷物語(1963年製作の映画)
3.6
最近なぜかこのテのアンチサムライ映画ばかり観てしまう。南條範夫原作とのことで当たり前だけど「シグルイ」と通ずる部分多いな〜。公開当時の観客は今より時代劇に慣れ親しんでる人ばかりなわけだし、どういう気持ちで観たんだろ。

錦之介はすごい。かわいらしい小姓さんから幽鬼のごとき初老までまさに七変化。「柳生一族の陰謀」とかで時代がかった芝居する人やな〜くらいにしか思ってなかったが完全に見直しちゃった。かつて強くてかっこいいサムライを演じた俳優が後にアンチサムライな映画に出るって、イーストウッドみたいやな。

一番の山場であろう天明3年の闇の太刀の章、殿様と側近にあまりにもゲスしかいないのが冷めてしまった。あんな暗君になんとも思わないのは流石にご都合主義に感じる。最初は無邪気な武芸好きの殿様だったのがだんだん狂っていく感じはよかった。
kaikaita

kaikaita