kaori

めしのkaoriのレビュー・感想・評価

めし(1951年製作の映画)
4.4
倦怠期の、それもちょっと前の価値基準の夫婦の話。といってもその前時代の妻のようにひたすら耐え忍ぶのではなく、奔放な娘が介入することで二人の関係に動きがでて、初めて妻は夫に不満を漏らすことができたり、家出も試みたりできたのではないかと思う。
物語は、自分より厳しい生活をおくる友人をみたり、夫が迎えにきて「いっしょに帰る?」の一言を受けてあっさり収束していくけど、そんなもんかなと思った。きっと、大阪に帰れば、同じ倦怠の日々が待ち受けているに違いない。そういうしみったれた営みこそ、美しいと成瀬(林芙美子)は言いたかったのかもしれない。
ちょっと疲れた感じの原節子も素晴らしかった。
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