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「めし」に投稿された感想・評価

一

一の感想・評価

3.7
成瀬巳喜男監督作品

倦怠期にある夫婦がささいな出来事から次第に亀裂を深めていく様を描く

夫婦間にある微妙な気持ちの揺れがユーモアを交えながらしっとりと描かれ、じわじわ『めし』と言うタイトルが効いてくる秀逸な構成
これぞ古き良き映画という感じがするように、互いをいたわる気持ちや思いやりの大切さが、匂い立つように画面から伝わってくる素晴らしい演出

戦後間もない中でも生き生きとした人間模様
平凡な毎日がいかに幸せであるということを気づかされる
本作は成瀬監督らしいドロドロ感はあまりなく、当時の女性の幸せを見事に映像に落とし込む

なにより原節子の繊細で品のある演技は格別に良かった

〈 Rotten Tomatoes 🍅-% 🍿87% 〉
〈 IMDb 7.7 / Metascore - / Letterboxd 3.8 〉

2021 自宅鑑賞 No.138 U-NEXT
shaw

shawの感想・評価

3.8
成瀬巳喜男二作目の鑑賞。

まるでロボットのように家事をこなす抑揚のない毎日に嫌気がさした原節子。

夫婦の元に夫の方の姪がやってくるんだけど、この人がまあコロナばりに色気を撒き散らす奔放なおてんば娘で、原節子もついに「もういいや!」ってなっちゃうんですね。

本作は"夫婦の実像<一人の女"っていうふうな映画で、正直『浮雲』を見た時は「こいつマジか」ってなったけど、本作を見てこの監督が「女性を描くのがうまい」とされる所以が少し垣間見えた気がする。まあ納得いかんところもあるけども。

実際、この時代に生きてた女性というのは所帯持ちだろうがそうじゃなかろうが、彼女たちには搾取的な社会だったろうし。で、そんな多くの女性たちの中から一つのエピソードを切り取ったような。

映画的に花があるとしたら「魔性の女里子に狂わされる男たちと彼女の愛憎劇」だってありだけど、成瀬巳喜男ってのはそうはいかないんだなと。

ラストの主人公のセリフに関しては正直今の人々は「いや違う」という人が大多数だろう。時代の変化を感じる映画だと思う。
iPhoneの中のレビュー

3/31(Sun) めし

家事に追われるだけの退屈な日々に嫌気がさした妻と、そのことにうっすら気づきつつも向き合ってこない夫。
そして姪の登場でかき乱される妻の心情。
いつの時代も、夫婦の問題の根は全く変わらないのだと思う。

上原謙の、淡々とした、それでも表情だけで微妙な心の揺れを体現する演技は素晴らしい。
妻に会いに来たのに出張というところが、最後まで初之輔の人間性を表していて、これは書けないなぁと。
その言葉から妻と一緒にいたい気持ちを拾い上げ受け止める原節子の演技も絶妙。

「お腹空いたなぁ」というセリフがジーンと胸に残る。

なんでもないように思えるセリフで、人の胸を震わせる脚本、演出は、なかなか見れるものではないと思う。
大傑作

夫婦の話。
近所のおばさんが「夫にこき使われ、子どもにこき使われ、女が好きなことが言えるのは娘のうちだけ」とぼやく。
子どものいない夫婦の元に、夫の若い姪っ子がやってきて遊んで帰る。
夫との貧しい生活、専業主婦に疲れた妻が、この姪っ子に感化されて東京の実家に帰る。

娘から女になり、結婚し、母になり、老いていく。封建的な社会の中でレールを歩くしかない女が束の間の自由を獲得するための仕草として家出が描かれる。家出をしてなにをするのか。
実家に帰った女の寝顔を見て、母親が「女は眠るのよ。夫の顔を伺ってるだけで気疲れするの」と呟く。

彼女はなぜ猫を飼うのか。夫婦にはなぜ子どもがいないのか。彼女はなぜ駅で子どもの後頭部を見てはっとするのか。なぜ従兄弟との恋仲がほのめかされるのか。なぜ彼女は書いた手紙を捨てたのか。彼女はなぜ眠るのか

生活に疲れた女の家出には、いくつもの人生の分岐ルートがほのめかされているが、いくつものその先が描かれないまま終わる。女はただいっとき、家出をするだけ。
いつも「めし」と妻を呼びつけた夫と、久しぶりの外食が叶うと二人は家に帰る。
「乱れる」に続く成瀬巳喜男強化期間その2

名作として定評があるらしいが、どこがいいのか全くわからなかった。これでキネ旬2位とは理解不能。

倦怠期を迎えた夫婦(原節子、上原謙)を描いた作品。家出した妻が最後には夫のところに戻る。日常のささやかな幸せの大切さを描いたのだろうが、最後に出てくる、夫に従い尽くすのが女の幸せだみたいな原節子の独白にびっくり。そりゃそれが当時の平均的な価値観なのだろうが、そんなありきたりな保守的結論に至るための97分?妻は自立を目指していたのに、ただ現実とまわりのプレッシャーになし崩しになっただけでしょ。当時はこういう、豊かでもない、とりわけ貧乏でもない、中流の下ぐらいの現代(1951年時点の)の家庭を描く筆致が新鮮だったらしいが、今はただ古臭いだけ。

原作の小説は作者の急死で未完に終わったらしく、結末は映画のオリジナルだが、なんでも監督は夫婦が別れる結末にしたかったものの、大人の事情でヨリを戻す作品になったらしい。それじゃ全く逆の話じゃん。木全公彦の解説によれば、原作を連載していた朝日新聞から「離婚は困る」と申し出があり、製作の東宝も「夫婦仲直りしなきゃ興行価値がない」と言われた、という。ならこんなくだらない結末になったのも納得。最後の原節子の独白は諦め、もしくは朝日や東宝への皮肉だったということ?

もちろん良いところもある。小津作品とは全然違う雰囲気の原節子は良かったし、頼りないけど根はいい奴な上原謙の人物像も、今に通じるキャラ。夫が東京に出てきて、妻と再会し、夫婦がよりを戻すまでの妻の心理の描き方もうまかった。敗戦後6年を経た大阪の街並みを描いた映像がまた、興味深い。「乱れる」は、これの14年後の作品だが、社会の風景も人の心のあり方も映画表現もまったく別物と言っていいぐらい変わっていて、当時は14年の時差がとてつもなく大きかったことがわかる。激しく世界が変わった14年だったのだ。2021年と2007年の違いなんて誤差の範囲内でしかないのに。(2021/2/16記)

このレビューはネタバレを含みます

物語構造がとてもシンプル。主人公がいて、その周りの人と環境があって、それに心動かされて、選択をしていく、かたち。それだけ、多くの人が共感しうる主人公だったんだろうなと思う。「幸福」について「女の」って枕詞がつく、それがつかなきゃ語れない部分がある、時代。
shun

shunの感想・評価

3.8
客が何泊かしたら米が足りるか心配するシーンがすばら。それだけ苦しいのだ。頼りないけど話し方が一定の飾らない夫がかっこよかった。

大阪での貧乏でマンネリ化した結婚生活に疲れた妻は東京の家族のもとに帰り数日過ごすが、一人でいるうちに夫に守られていたことに気付き、迎えに来てくれた夫に、寄り添ってまた頑張ってみようと大阪に帰る話。
「猫飼ってんの」のとこが好きです。
後最後のビールの感想の違い。
C

Cの感想・評価

3.8
原節子かわいい〜。女の幸せというか男も女も自由に自分の意思で動ける生活が幸せなんだろうな
モノローグ 姪に決定的な事を言われた時の原節子の顔・・・!杉村春子もやっぱり素敵だなぁ〜〜おもしろかった
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