めしの作品情報・感想・評価

「めし」に投稿された感想・評価

成瀬さんは他の巨匠三人とは違い、平凡な日常生活を映像を通して淡々と描くのが本当にうまい

原節子さんの表情を見るだけでも価値ある作品
lag

lagの感想・評価

4.6
監修、川端康成。成瀬巳喜男が描く女。倦怠期の夫婦。女の幸せとは。

構図とフェードが良き、好き。大阪の街並み。ユーモア。最初と最後の違い。時代。
「私の顔を見たらお腹が空くのね」ってセリフが冒頭と最後に2回あるんだけど、
全く違うふうに響いてくる、すばらしい!
寿都

寿都の感想・評価

4.9

小説は得意ではないけど、林芙美子だけは大好きだった。映画になっても最高、成瀬監督グッジョブ。上原謙が、私のイメージする林芙美子小説の男にぴったり。(新宿区・中井にある林芙美子の旧宅は記念館になっていて、穴場でおすすめ)

ラストの選択に悪い諦観はないのでは。三千代にとり、家事に追われるだけの貧乏生活を捨てることは簡単なことだからだ。超美人設定で男は他にいくらでも選べるし、東京の実家とも超円満でいつでも帰れる。親友のように独身を謳歌する女性の存在もすでに普通だった時代。お向かいさんは自由気儘な二号暮らしだ。そう考えると女の方が生き方の選択肢は柔軟だな。セーフティネットが、自由がある上での絶望はもったいない。
女の幸福は結婚にしかなく、その結婚だってこの程度のもので現実を受け入れるしかない。という嫁入り前の乙女には残酷すぎる一般論を、深く掘り下げ、実はこういうことなのだと教えてくれる映画。

三千代は貧乏に嘆いてたわけではない。愛さえあればお金は(そんなに)いらない。は、実は真理。女にとっては高収入よりも、心と体を温めてくれる人の方がポイントが高いようだ。男子にとっては朗報なのでは(私は愛のあるお金持ち希望)。

三千代モード(1000%共感する)で初之輔を見ると怒りで体が震える(うそ)が、理性と神の視点で見ると彼はなにも悪くないどころか誠実な人間。そこがこの映画の上手なところ。女が誤解して、勝手に拗ねて怒るのが大体の元凶。言葉足らずな男もよくないが。どうせ誤解するなら良い方に誤解すればいいのかも。
短所は長所の裏返し?セットであることを三千代は悟ったのではないか。「こういう人だからこそ好きになったのよね」と思いたい。幸福は、なるものではなく気付くものなのかもしれない。周囲が言う「幸せな奥さんね」に、三千代にかわり「そんなことないの!」と全力で否定したくなったわけだけど、実はなんと、その通り、幸せな奥さんだったんだ。という映画ではないか。素晴らしい。
と、ポジティブに解釈してみたが手放しで幸せとは全然言い切れない微妙さがある。でもラストには静かで大きな感動があった。原節子とともに成長する二時間弱であった。

『無限な宇宙の廣さのなかに
人間の哀れな営々としたいとなみが
私はたまらなく好きなのだ』
哀れと言ってるし。この林芙美子の大文句に恥じない傑作映画。
ち

ちの感想・評価

4.3
倦怠期でギクシャクしちゃったけど、やっぱお互い好きだから一緒じゃないと嫌!って要約するとそういうことなんでしょうね。成瀬はドラマチックな構成好きですよね。あと女優がやることやってるのでナレーションが入ってもそんなに気にならないのも流石かな。島崎雪子を抱き起こそうとするシーンとか、米を研ぐ原節子の手のクローズアップとか好きです。並んで歩く男女の後ろ姿がとにかく不穏なのも良かった。
妻の顔見るたびに、腹へっためしは、無いでしょう😅奥さんの「貴方って私の顔見るとすぐお腹が減るのね~」が可笑しかったです😆

旦那さんの、姪が可愛いいんだが厚かましくてちょっとイラつきました。
国領町

国領町の感想・評価

3.0
★★★liked it
名匠・成瀬巳喜男監督が林芙美子の原作を基に、倦怠期を迎え、ささいなことで諍いを繰り返し、溝を深める夫婦の姿を描いた傑作ドラマ。
なんともいえない余韻が心地よい
原節子さんいいですね
赤の他人が一緒になって一つ屋根の下で寝食を共にする...夫婦の絆って不思議。
あぁ、うまい。とはいっても、うまそうな食いもんなんて一瞬たりとも映りはしない。うまいのは、原節子さんのこと。主人公の心情をナレーションで説明するシーンがあるのだが、特に必要ないとすら思った。倦怠も嫌悪も安堵も充足も、原さんが魅せる千変万化の表情がいみじくも語ってくれた。それだけで、もう腹十分目だった。
Hero

Heroの感想・評価

4.1
〜僕のお嫁においで〜なんて息子加山雄三は歌っているが、そんな上原謙の下に嫁いで来たのが原節子。結婚して5年、会話といえば腹減っためしまだか、子供代わりに野良猫に餌付けする始末。えぇ、末期ってやつですわ。そんな冷めた家庭にナチュラルボーン小悪魔ちゃんの夫の姪っ子島崎雪子が家出してきて近親相姦の予感漂わせイチャコラ始めちゃう始末。しかし一歩外に出れば、しっかり者の旦那さんもらってべっぴんさんでえらい幸福そうですなって、やかましいわ幸せってなんやねん。とプッチーン来た原の節っちゃんは大阪をとびだし実家の東京にそそくさと帰ってしまいます。家にはオカンと妹夫婦が優しく出迎えてくれてチヤホヤしてくれる、めしも出してくれる。一方出ていかれた旦那の方はと言えばめしは作れない片付けもできない節っちゃん堪忍やではよ帰ってきてーなと嘆き節。とまぁここまでは親切丁寧安心安全の成瀬クオリティ。蒔いた種は着々と実をつけて収穫期となる終盤を盛り上げ、いや爆上げ。トドメの戦争未亡人とその息子のカットはいとつらし。最終的には“これが女の幸福なのでしょうか”と原節子にモノローグで言わせてしまう、そのうまさたるや。倦怠期を迎えた夫婦は是非どうぞ笑。
>|