ヤンキー映画
ストーリー
16歳の少女、シュザンヌは恋人がいながらも確かな愛を求め奔放に恋愛を重ねていく。しかしそんな彼女が原因で両親は離婚の危機に陥り......。
主演 サンドリーヌ・ボネール
監督 モーリス・ピアラ
こんな家族は嫌だ。
複雑な家族の生き様と育て方を繊細に描き切っている。
面白いのは時間軸。
時間経過がとにかく早く、時の移ろいを感じさせぬまま物語が進行する。
最初はそれに戸惑いながらも、無駄なシーンをカットしてあるおかげか、全てのシーンが必要に感じる。
フランス人らしい独特の感性と子育て論があるため、我々日本人に全てを理解しろと言っても無理な話だ。
学校に行かない、授業をサボるならまだわからなくもないが、深夜に帰宅はなかなかハードヤンキー。これはヤンキー映画だと思えば不思議ではない。
逆に言えばこれはフランス人にしか描けないキャラクターなので、フランス人が日本人的キャラを描けないのと同じ。
そのカルチャーショックみたいなのを感じながら、根底にある親の娘を想う愛と憎みは万国共通なのだなと思わされる。
体当たり演技のサンドリーヌボネールには脱帽。"この選択をするしかなかった"スザンヌの心境の変化を見事体現している。
それに親ならではの偏った愛を見せつけるモーリスピアラを観て「グザヴィエドランがやってるのはこれだな」と。
色々な意味で結構好みの作品であった。