あご

イレイザーヘッドのあごのレビュー・感想・評価

イレイザーヘッド(1976年製作の映画)
3.5


若かりし頃に観て 色々が気持ち悪く
トラウマだった『イレイザーヘッド』を
久しぶりに観賞。

私の中で長年、嫌な映画に
ランクインしていた作品だったけど
自分が歳を重ねたせいなのか
不穏な映画に対する
耐久が出来たからなのか
楽しんで観ることが出来ました(笑)

白黒の世界で繰り広げられる
不穏、不穏、そして不穏。

不可解な映像と
不要なものを極限まで削ぎ落とした
BGM、そして台詞。

冒頭、主人公ヘンリーの口から
吐き出され、謎の人物によって
開かれた扉に吸い込まれていく
精子おぼしき物体。


恋人メアリーに招かれた夕食の席から
ヘンリーの恐怖が始まるのだけど
これが相当なホラーなのですよ。


突如として発作で苦しみ出す娘を
軽くいなしたかと思えば、
何を思ったか娘の髪をいきなり
梳かし始める母親がコワイw

出されたチキンにナイフを入れると
モゾモゾ肉が動き出し血がドフドフ
流れ出してくるのがコワイw

そんな肉を見た母親が
小刻みに震え出したかと思えば
上向きで白目を剥きながら
ゲコゲコ言い出すのがヤバいコワイw

半狂乱で娘のメアリーは飛び出し
残された父親と2人きりになるヘンリーが
ツラい、観てるこっちもツライ助けてw

産後鬱のメアリーは
この世のものとも思えぬ風貌の
赤ん坊を放り出し帰省。
残されたヘンリーがツラい助けてw

泣き止まない赤ん坊、
徐々に体力も気力も奪われ やがて
精神を病んでいくヘンリーが
ツラい助けてw

何か病を患っているのかと
体温計を赤ん坊に差したかと思いきや
謎のブツブツで覆われる赤ん坊が
コワイ助けてw

もう ここまででも相当なダメージを
喰らわせてくるリンチ節が
若い頃の私には本当に恐怖で
気持ち悪かったわけですよ。

まぁ、これを
笑いながら観られる様になったって事は
私も色んな物を学んだという事ですよね。

今観ても理解不能な映画だったけれど
当時感じた程の恐怖はあまり感じず
むしろ盛大に楽しめた私であります。

まぁ、なんていうか
望まぬ出産、望まぬ育児に対する
リンチなりの抵抗と捉えれば
良いんですかね、知らんけどw
あご

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