あ

赤い殺意のあのレビュー・感想・評価

赤い殺意(1964年製作の映画)
5.0
貞子の"心の中"がナレーションとして可視化されるのが面白くて、例えば強姦魔がダラダラと自分語りをし始めたときに(あたし、なんでこんな話きいてんだろ)なんてことを考えてるくらいには冷静で、どこか冷めた目線でそいつを見つめているような描写がすごく良い
女が強姦されて(男より)強くなってしまうというモチーフは『にっぽん昆虫記』の信子、『豚と軍艦』の春子でも繰り返し用いられてるけど、完全な男性優位からの女性の逆転を描く、しかもその時にいわゆる「美人でない」女優を役に起用する今村のフェミニズム、、

この映画の原作は舞台が東京だったらしいが、わざわざ仙台のど田舎に設定しているあたり、今村の「農村上がりの女性」を描くことへのフェティシズムを感じる。
あ