fukuuu

サムソンとデリラのfukuuuのレビュー・感想・評価

サムソンとデリラ(1949年製作の映画)
4.0
旧約聖書の物語の一つ士師記、サムソンとデリラ。テンポのいいストーリー展開で無駄なく語られていて、とても見やすい。

悪女デリラを演じたヘディ・ラマールがとにかく美しい。男は一癖ある女性に惹かれ、振り回される性。3000年前から変わらないんだなあ。しかし、新約聖書には少ないこの様な乱れた性のエピソードは当時の風俗観を感じられ、ここから繋がるキリスト教の登場もなんとなく示唆している気がして面白い。
ペリシテ人は既に絶滅してしまい、聖書も残っていないので、旧約聖書等によるイスラエル側正義の記述しか読めないが、この映画を観ていてもちょっとサムソンのはちゃめちゃさというか、ペリシテ人に同情する気持ちも芽生えてしまう。笑

のちにユダヤ人とギリシャ人は大きな戦争をすることになるそうだが、キリスト教と比べたらこの二つは、価値観としては割と似ている部分も多いんじゃないかと思った。(こんなこと言ったらどこかの勢力からは怒られるかもしれない)

小人症の俳優を大勢雇ったキャスティングや、ライオンと戦うシーンをスタントで撮影したのは現代じゃ絶対に観られない貴重な映像。ユダヤ人最初の王となる、サウロが子供の姿で登場するのも良かった。
fukuuu

fukuuu