主人公の運転手を演じる上で、三浦友和以外に相応しい俳優がいるだろうか？いや、いない！彼だからこそ、この映画に重厚さが出たと思う。台詞がなくても、表情だけで十分だった。そして、妻役の余さんの演技は相変わらず、旨かった！
ストーリー終盤に徹が役所に離婚届を提出し、その脚で来た風光明媚な高台から、お互いが外した結婚指輪を投げ捨てた時、残念ながら全て終わったと思った。お互いを気遣いながらも、真意を確認したり、愛を伝えられない夫婦だったから。
しかし、徹が定年での最終操縦後に、別れたばかりの妻へ新品の結婚指輪を渡し、結婚申込みをした時、ジーンときた。そして、涙が溢れ出た。思わぬ展開！嬉しかった！
私を含めて還暦を過ぎた日本人夫婦は、言葉で愛を伝えるのは至難の業だ。でも、悔いが無い人生を送りたい。必要と感じたら躊躇わずに軌道修整しながら、お互いを尊重することを大切にして、一緒に暮らし続けたい！
