コバ

姿三四郎のコバのネタバレレビュー・内容・結末

姿三四郎(1943年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

鼻緒を直すシーンはなんか原初の風景をみたような感動を覚えましたよ。本当に美しかった。雪降ってるのも憎いよね。
宮崎駿の「風立ちぬ」をなんとなく思い出しました。三四郎の棒読みというかボーッとした感じを出したくて庵野監督を起用したんじゃないかなんて思ったり。

最後の無心になるシーンも面白かった。これが主題なのかな。人間の道の追求。
粗野だった主人公が何かを悟り、修行中中弛みしてたけど仲間の助言で初心に帰る。良きライバルと戦い一歩成長。最後の戦いで更に真の無心になった後にもまた新たな悩みを見つけ成長していく。
ハスっていうアイテムで主人公の成長をハッキリ描くのが素晴らしい。最初の敵は因縁の相手、2番目の敵は良きライバル、最後の敵は運命の相手。
2番目が良かったよね。少年漫画的、敵が仲間になった!的なホクホク感の源流だな…。
しかも因縁って感じじゃないけど敵の娘の美しさに感動するっていう要素をプラスすることで湿度高い関係性を作って、主人公の葛藤やさらなる成長を描いてる。

ほんとコンパクトなのに面白い映画。シンプルに言いたいことだけサクッと無駄なく見せるのが素敵。
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