二兵

姿三四郎の二兵のレビュー・感想・評価

姿三四郎(1943年製作の映画)
3.5
巨匠・黒澤明のデビュー作。何と戦前の作品である。後の作品とはなかなか違った雰囲気だが、劇画的な描写の試合の場面など『静』より『動』を重視する黒澤の作風は、既にこの頃より確立され始めているなと感じた。

ただ、監督が黒澤でなかったら観なかっただろうし、正直そんなに面白い映画でも無いなというのが第一の感想。クライマックスの空を流れ行く雲などは、なかなかワクワクしたけれど。

ちなみに主役の藤田四郎さんは、後に東宝の怪獣映画やウルトラシリーズで軍人役で出演される事が多く、個人的にむしろそっちのイメージが強い。

途中、残念ながらカットされた場面が幾つかあるとの事で、いつか修復された完全版を観てみたいものである。
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