アンタレス

レインマンのアンタレスのレビュー・感想・評価

レインマン(1988年製作の映画)
3.8
青天の霹靂とは正にこのことだろう。高級車のディーラーを営むチャーリー(トム・クルーズ)は、疎遠になっていた父の訃報を聞き、葬儀へと向かう。そこで知らされたのは、自らに自閉症の兄がいたこと。名をレイモンド(ダスティン・ホフマン)という。
父の遺産のすべてをレイモンドが相続すると聞き、チャーリーは納得いかずレイモンドを半ば誘拐する形で連れ出してしまう。
金のためにレイモンド行動を共にするチャーリーは、自閉症の兄にイライラしっぱなしであった。


自閉症の兄、レイモンドを通して忘れていた過去の記憶や、父からの愛情、そして兄からの愛情。色々なものを取り戻し、唯一の家族としてチャーリーもレイモンドに愛情を注ぎ始める。若いチャーリーの成長と、家族の絆を細緻に描いた良い脚本だと感じる。
トム・クルーズが、若く人生経験の不足しているチャーリーを上手く表現しているが、ダスティン・ホフマンの演技に引っ張られ、相乗効果で互いに魅せ合ってるような印象を受けた。
ヒューマンドラマ史に残る色褪せない名作である。
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