「戦争は人の悪い部分を浮き彫りにする」
最初からユダヤ人を救おうとするのではなく
あくまで安く都合の良い労働力として
成り上がっていったはずのシンドラー。
それでも次第にその野心が
かけがえのない人命の救助へと傾いていく。
戦争で浮かび上がる人の冷酷さに目を背けそうになるが、これは今なお人の心にある悪意でもあり、時代が違うからと無関係である話でもない。
シンドラーと話し合う描写もなく
深い場所で結託してユダヤ人を救おうとする
会計士の凄みもすさまじかった。
1つの判断で生死が分かれる
ではなく
判断をせずとも生が途絶える日常
全てが終わったときに喜ぶでもなく、糸が切れたようにその手から滑り落ちてしまった命を嘆く
シンドラーの姿に涙が止まらなかった。