たな

シンドラーのリストのたなのレビュー・感想・評価

シンドラーのリスト(1993年製作の映画)
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母親と映画の話をすると必ず、「お父さんとお母さんの初デートでこの映画を観て、観終わった後凄い重い雰囲気になったんだよ!」っていう謎のエピソードと共に勧められる作品。父親と母親の初デートとか想像したくないから良い映画なのは知ってたけど敬遠してた。父親と母親の映画館初デート姿を想像して吐き気を催しながら観始めたわけだが、観進めていくうちに別の吐き気へと変わっていった。
観終わってみて、母親の謎エピソードの意味がわかった。この映画を観た後の気まずい雰囲気のまま別れていたら、俺は生まれていなかった訳だし、映画の内容も含めて自分の生命について深く考えるきっかけになった。この映画一番の教訓は、彼女と観るならドラえもん辺りが丁度いいってこと。

戦後60年近く経ってから生まれた自分にとっては、あくまで実感に乏しい「教科書の中の出来事」であったものを、強烈な吐き気と共にここまで実感させ、記憶に刻ませた本作品は、正に「歴史を残す」という芸術の持つ一つの役割を果たした、芸術作品として完成されたものだと感じた。努力すればこのバッジであと二人救えたって嘆くシーンと、最後のシンドラーの墓に一人ずつ石を置いていくシーンで涙が止まらなかった
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