おばけつ

シンドラーのリストのおばけつのレビュー・感想・評価

シンドラーのリスト(1993年製作の映画)
5.0
2022/3/29 630作目
第二次大戦中、多くのユダヤ人が強制収容所に送られた。オスカー・シンドラーは全財産を投じ、1100人もの罪なき人々の命を救う。歴史に刻まれた、命の物語。

3/31までということで滑り込み。
恥ずかしながら初鑑賞です。
どの絵から絶望が押し寄せてくる。
特に悲しいと感じたのは小さな女の子すら迫害に加担している、可愛い笑顔にそぐわないグロテスクなシーン。
迫害の根深さを感じずにはいられない。
あえての白黒映像ではあるのだろうが、カラー映像よりも鮮明に思えたし、映像の世紀見てるかと錯覚するほどリアル。
アウシュヴィッツへの誤送や、ガス室かと思わせるシーン、子供だけを連行しようとするシーンもヒヤヒヤして直視できない。

シンドラー、自由奔放で金儲けしか興味ないように感じてたけど、従業員の名前みんな覚えていることに感動した。
降伏後、「君たちが生き延びたのは私の力ではない、君たち自身の力だ」「このバッジを渡していれば、2人、いや1人、あと1人は救えたはずなんだ」と後悔するシーン、涙無しでは見れない。しかし救われた人たちは皆、彼の誠実さに気付いているはず、シンドラーが助けた人々のリストは、奇しくもシンドラーを助けた人々のリストでもあったんだから。
「力とは、人を殺す正当な理由があるときに殺さないことだ」
この言葉、忘れずに生きていきたいです。