ばんがど

流れの譜 第一部動乱 第二部夜明けのばんがどのレビュー・感想・評価

4.5
ビビるくらい面白かった!
日本版ゴッドファーザー+ワンスアポンアタイムインアメリカ。いやフォレストガンプかな?
スーパーエリート一家の二世代に渡る叙事詩。ここに激動の昭和をブッ込むとこんなに面白くなるんだなぁ。個人的に男たちの大和/YAMATO とALWAYS 三丁目の夕日は同年に公開されたこともあるし共に戦艦大和と東京タワーという象徴的な建造物を背景に昭和の戦争と復興を描いた兄弟作だと勝手に思っていたが、まさに一本でこれを描ききった作品があったんだ!
戦前世代は父陸軍。息子陸軍、海軍、軍医、東大からの共産党。戦後世代は父医者、息子東大の学生運動家と早稲田の平和活動ヒッピー。極右と極左しかいないんかい!と笑ってしまうくらいの一般ピーポー置いてけぼりのスーパー偏ったエリートインテリ集団。ぶっ飛んでるし誇張してるだろうしステレオタイプなのかもしれないが、昭和を短時間でバチっと編纂し描き切るにはこれがベストなのでは?とすごく的を射た作品のように感じすごく楽しめた。極右も極左もかなり丁寧に描いており、かつなんか軽く両者を小馬鹿にもしていてすごく中立。バランス感覚が絶妙だった。
戦前と戦後。壊滅と復興。なんか光と闇の二極論で片付けてしまう平成以降の世代。戦後も(現代も)そんなに大した光ではないという現実も浮き彫りにしてくれてホントに興味深い。ただアベックが海を歩いても怒られないそのくらいでもよくなったと信じたい…そんな味付けで締めるあたりもホントに絶妙だった。
こんな最高な映画をDVDにすらしてない松竹さんどうかしてるぜ!
そんな貴重な映画をサラッと上映してくれるロイヤル劇場さんもどうかしてるぜ!
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