いわゆる「賞狙い」の作品を蹴散らしてのオスカー受賞。ホラー作品としてはいまの時代に至っても依然唯一の栄冠。サイコスリラーの金字塔を打ち立て、そのジャンルの格式を確実に底上げたエピソードに胸は湧くものの、グロゴア描写への恐れから未見のままでした。
一念発起し鑑賞したところ、多少はあれど直接的なグロゴアは控えめで助かりました。私が助かったかどうかはどうでもよいのですが、グロゴアに頼らずともじっとり怖い感じが漂っているのが今作の凄みですよね。その辺りは『セブン』にもしっかり受け継がれている気がします。
レクター博士が実は20分も映っていないというトリビアは有名ですが、いや確かにその事実には驚かされますね。本当にすさまじい存在感。
警官隊とクラリス単独の突撃シーンを交互に映し、真犯人にたどり着いている主体をミスリードする演出はいまやお馴染みですが、ここ起源だったりするんでしょうか?
明らかに解釈しきれてない考察ポイントがいくつもありましたので、今さらながらそちらも楽しんでみようと思います。