初っ端からレクター博士の存在に惹きつけられ、物語が進むに連れてどんどん引き込まれていった。特にラストの攻防はとてつもない緊張感と不気味さを持っていて、よもやバッドエンドもあり得るのではないかと思うほどであった。
基本的には牢屋にいるか拘束されているかなのに、レクター博士の存在感が誰よりも大きかった。バッファロー・ビルやクラリスよりも。彼のような鋭い洞察力を持った人間になりたいと思うのは私だけでしょうか。
この映画を見る限りでは、眼力と謎の落ち着きがサイコパス感を決定するのかなと思う。兎にも角にも素晴らしい演技だ。
冷静になると整合性が取れなかったり、どうしてこうなったのか分からない点が浮かんでくるが、鑑賞中は恐怖と興奮がそれらを掻き消してくれる。サスペンスの中でも最高峰の作品だろう。
女性の顔に精液を"投げつける"というのはなかなか斬新な気がした。